私地獄

twitter:@ataso00

「女を忘れるといいぞ」7/7(土)発売です。

7月7日(土)七夕の日に、角川からはじめて本を出すことが決まりました。タイトルは「女を忘れるといいぞ」です。すべて書き下ろしで、税込1350円です。

 

◆こちらから予約ができます。
https://www.amazon.co.jp/dp/4046023074/

表紙は、坂本ヒメミさん(http://lenso.girly.jp/)。かなりかわいく仕上げていただきました。フジロックが好きな方のようだ。

どうやら、電子書籍も同日発売らしいので、海外にお住まいの方、本屋さんに行くのが面倒な方、家に本を置くスペースがない方などは、そちらからでも。 

 

ご存知の方も多いとは思いますが、私がこうして本を出せたのはまず第一にTwitterのフォロワーが多いからで、なんで増えたのかというと音楽が好きだったからというのと自分の容姿をネタにしたツイートがウケたからだと思っています。
出版不況、本が売れない、と言われている世の中で、私みたいな普通のどこにでもいるようなつまらない人間が本を出せたのは、ある程度売れると見込める数字がついているからです。それは、私のことを気にかけてフォローしてくれた人がいるからだし、面白いと感じてくれた人がいるからだし、私の文章をどこかで読んでくれる人がいるからだと思っています。私に対する気持ちが、好意だろうが冷笑だろうが構わない。ありがとう……ありがとう……。

 

音楽は好きだし、これからもそこそこ好きでい続けるのでしょうが、今回、音楽ネタはほとんど関係ないです。名前はちょこちょこ出したけど。強いて言うのであれば見出しの2つめを「コンプレックスと戦う」にしていて、私の敬愛するKillieという激情系ハードコアバンドの楽曲に『体脂肪と戦う』というタイトルのパロディなんだけど、誰も気づいてくれなかった……!(笑)

 

それはさておき。書籍化するにあたって、私は何を書きたいのだろうか?どんなことを書いたらいいのだろうか?ということを考えたときに、やっぱり自分のコンプレックスについて、自分の醜い部分を書く以外に思いつかなかった。
私は自分の容姿が嫌いだったし、それ以前に女でいる自分に納得がいっていなかった。汚らわしさとか忌々しさみたいなものすら感じていた。でも、性的不一致を感じているわけでもないし、スカートをはくことも高いヒールを履くことも化粧をすることも大好き。私自身が女でいることに対しては、何の不満や疑問もない。
じゃあ、女らしいのか、いうと絶対にかけ離れたところにいるのだとは自覚している。けれど、他人にどんな言葉をかけられようが、私は自分のことを「サバサバしている」とも「男らしい」とも思ったことはない。
私は紛れもない女で、そういう自分に何の疑問もないのだけれど、他の、周りの女の子たちと比べると圧倒的に価値がない。同じ性別を名乗っていることを恥じ、罪悪感すら覚えてしまう。そういう感覚が私のなかには常に眠っていて、「自分の女性性が嫌いであること」と「自分の容姿が好きになれないこと」は同時進行でコンプレックスとして蓄積されていきました。私のなかの、とても醜くくてドロドロとした感情。

 

そういう中途半端な気持ちをずっと胸にしまいながら生活をしていて、ツイートやブログ、SOLO(現在はAMですが)の連載で色々文章にしていると、こういう性別に関して浮ついた感覚を持っているのは私だけじゃないんだ、と思って。何か文章にして残すなら、こういうことしか私には書けないんじゃないか、と思って。
Twitterとかインスタではすでに読めるようになっている「はじめに」の部分では、どんな人に読んで欲しいのか?とかどんなことを思って欲しいのか?というのを少しだけ書いていて、私の書く文章で人にどう考えて欲しいとか人の気持ちを変えられるとか、そんな大それたことなんて思っていない。以前からそうだったけど。ほとんどは自分のために書いたとも言っていい。
そもそも、自信がないんだよなあ、私は。人にどんなに褒められても、何かの冗談だと思うし、私が書ける文章なんて誰にでも書けると思っている。「共感する」「わかる」と散々言われてきて、だったらアンタも同じように書けばいいじゃんと思う。私にできて、他の人にできないことなんて、きっとこの世界にはひとつもない。別に文章をうまく書けるわけでもないし、何か抜きんでて面白い経験をしているわけでもない。私なんて普通以下だ。他の人が普通にできることが私にはできない。
でも、だから、私には今のところこの方法しかないんだと思っていて、この原稿を書いているときも「何やってんだろう」「なんでこんな、目を背けてきたことを文章にしているんだろう」と思って、毎日毎日仕事の合間を縫って文章にしていました。私は自分の本当の気持ちを誰かに伝えることも苦手だったし、毎日どんなことを考えているのか、話す相手もいない。ずっと深い人間関係から逃げるように生きてきて、手元に残ったのが、文章を書くということでした。

 

万人には決して受けないだろうし、私は人を傷つける文章しか書けないことになんとなく気づいている。本を出すことで、私は何か変わるのかな。意味があるのかな。わからない。何も変わらない気もする。とりあえず、最近は本屋に入ると吐き気を催すようになってきた。誰かに何かを届けることとか、できるんだろうか。読んだ人はどんなことを思うんだろう。そもそも、売れるのかなあ。

 

もし、少しでも何か思うところがあれば、気にかけていただけると嬉しいです……!

 

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写真はサンクトペテルブルクで見かけたかわいい犬です。